お知らせ

厚生労働省「実践的な手術手技向上研修事業」の予算確保と臨床医学における献体使用の推進に対するご支援のお願い

Last Update:2020年10月28日

要望書

厚生労働省「実践的な手術手技向上研修事業」の予算確保と
臨床医学における献体使用の推進に対するご支援のお願い

 さて、厚生労働省の「実践的な手術手技向上研修事業」におきまして、先生方のご協力により、令和2年度も2.9億円計上いただきました。誠にありがとうございます。改めてまして医療者の立場から、臨床医学における献体使用の必要性について述べさせていただき、本事業に対するご支援を引き続き頂きたく存じます。
 平成24年に私どもアカデミアが中心となり「臨床医学の教育研究における死体解剖のガイドライン」を定めました。それまで公的には学生実習や解剖学研究に限定されていた献体使用が、医師及び歯科医師の手術手技研修や新たな手術法や医療機器の研究開発に対しても可能となりました(Cadaver Surgical Training (以下、CST))。これらの臨床医学における献体使用は、医師・歯科医師の手術手技向上による国民への安全で高度な医療技術の提供のみならず、国内の医療機器産業の育成にも大いに期待できます。また、模擬手術を計画的に行えるため、医師・歯科医の働き方改革や、今後増加すると思われる女性医師のキャリア形成に対する切り札にもなると考えております。これも先生方のご支援によるものと感謝いたします。
 これまでCSTを推進してきた結果、CSTが急速に拡大してきており(全国のCST実施大学は33大学)、新たな局面に差し掛かってきました。平成30年度に厚生労働省「実践的な手術手技向上研修事業」は大幅増額となりました(平成29年度4,500万円→平成30 年度2.9億円)。しかし令和2年度には臨床解剖の実施に専用施設の設備整備費に対する2億円の厚生労働省予算に対して、全国21大学から応募があったため、約半数の10大学の採用が見送られております。 「実践的な手術手技向上研修事業」に対する令和3年度の概算要求は、臨床医学における献体使用を全国の医学部・医科大学に推進するには未だ充分な予算額ではなく、医療者の立場からも、来年度の概算要求レベルは何としても確保したい最低限必要な経費だと考えます。
 つきましては、引き続き高度な医療を安心して受けられる未来社会の実現のために、臨床医学における献体使用推進の必要性についてご理解いただき、予算確保と新たな基盤の確立に対してお力添えをいただきますようお願い申し上げます。

一般社団法人日本外科学会理事長 森 正樹

一般社団法人日本解剖学会理事長 八木沼洋行

日本外科学会CST推進委員会一同
 伊達洋至(委員長、京都大学呼吸器外科)、平野聡(副委員長、北海道大学消化器外科)、小林英司(副委員長、慶應義塾大学臓器再生医学)、伊澤祥光(自治医科大学消化器外科・救急医学)、七戸俊明(北海道大学消化器外科)、白川靖博(広島市立広島市民病院)、平松昌子(高槻赤十字病院消化器外科)、間瀬光人(名古屋市立大学脳神経外科)、種市洋(獨協医科大学整形外科)、八木沼洋行(福島県立医科大学神経解剖・発生学)、藤本豊士(順天堂大学老人性疾患病態・治療研究センター)、弦本敏行(長崎大学肉眼解剖学)、渡辺雅彦(北海道大学解剖発生学)、栗田浩(信州大学医学部歯科口腔外科)、羽藤直人(愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)、加藤友康(国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科)、金山博臣(徳島大学泌尿器科)、武田吉正(東邦大学医療センター大森病院麻酔科)、鈴木崇根(千葉大学環境生命医学)、山口久美子(東京医科歯科大学統合教育機構)

<要望書を冨岡勉衆議院議員へ提出>
要望書を冨岡勉衆議院議員へ提出
(左から小林英司教授、冨岡勉衆議院議員、七戸俊明准教授、事務局2名)

<要望書を古川俊治参議院議員へ提出>
要望書を古川俊治参議院議員へ提出(左から事務局、小林英司教授、古川俊治参議院議員、七戸俊明准教授)

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