2018年4月からの新外科専門医制度発足に際して、ご支援ご理解を頂きました日本外科学会会員の皆様に心より感謝いたします。新制度において日本専門医機構は第三者的評価機関として、制度の標準化・検証を行い、各学会が専門医育成のプログラム作成、専攻医募集と教育、専門医認定・更新、研修施設の評価・認定などの実務を行う方針となりました。日本外科学会は、下記の方針に沿って引き続き責任を持って主体的に外科専門医制度を運営して参ります。
1. 外科専門医制度の基本的グランドデザイン
国民にわかりやすく、簡素な制度とするため、日本外科学会は外科専門医を基本領域として、原則2段階制の専門医制度を構築しました(別添資料:図1)。消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺、内分泌外科の6サブスペシャルティを外科専門医直結のサブスペシャルティ領域とし、今後、3階部分に相当する専門医制度との連動を構築して参ります。外科専門医はこのデザインに沿って高次の専門医を取得することで、より高度の技能、知識を体得し、国民から信頼される外科医として国民の健康と福祉に貢献するものといたします。
2. その他の横断的領域専門医制度の位置付け
外科専門医ないし日本外科学会認定登録医が受験することのできるその他多くの横断的領域専門医制度については、日本外科学会が認定を行い外科専門医が多様なキャリアパスを歩むことを可能にいたします。一方、外科医にとってこれらの横断的領域専門医の取得は必須ではなく、上記の外科専門医直結のサブスペシャルティ領域専門医を取得・更新することで、生涯外科医として自信を持って活動することができる制度とします。なお、外科専門医制度3階部分に相当する高次の専門医取得には、外科専門医直結のサブスペシャルティ領域専門医取得を必須とする予定です。
日本外科学会は、外科関連専門医制度委員会に加盟する各学会の皆様とともに、国民に理解され、かつ新たに専門医研修を受ける専攻医にとって透明性のある充実した外科系専門医制度の構築に努めて参ります。
今後ともご指導、ご支援を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。
平成30年4月4日
日本外科学会 理事長 森 正樹
同 専門医制度委員長 北川雄光