会員各位
一般社団法人日本外科学会
教育委員会
ATOM コース(Advanced Trauma Operative Management)の受講について、下記の通り、ご案内申し上げます。
第11回東北大学コース
日時:令和6年9月14日(土)
主催:東北大学病院高度救命救急センター
場所:東北大学病院 先端医療技術トレーニングセンター
募集人数:3名
登録受付期間:令和6年6月17日~7月5日
受講料:30万円(税込)
注)受講生募集が多数の場合は抽選になります。
第25回自治医科大学コース
日時:令和6年10月25日(金)
主催:自治医科大学
場所:自治医科大学 先端医療技術開発センター
募集人数:4名
登録受付期間:令和6年7月15日~8月9日
受講料:30万円(税込)
注)受講生募集が多数の場合は抽選になります。
第19回大阪公立大学コース
日時:令和7年2月8日(土)
主催:大阪公立大学救命救急センター
場所:神戸医療機器開発センター
募集人数:3名
登録受付期間:令和6年9月16日?12月7日
受講料:30万円(税込)
注)受講生募集が多数の場合は抽選になります。
ATOM (Advanced Trauma Operative Management)
外傷外科トレーニングコース
ATOMコース(Advanced Trauma Operative Management、外傷外科トレーニングコース)とは、胸腹部の貫通性外傷に対する手術管理に必要な外科的知識と手技を学ぶための1日で行われる教育トレーニングです。
歴史
米国コネチカット州ハートフォード病院の外科医レンワース・ジェイコブ医師によってATOMコースは開発された。近年米国でも外傷外科手術の機会が減る状況の中で、外傷外科管理における手術手技を伝えるために1998年より始まった。米国東海岸を中心に広く普及し、カナダ、アフリカ、中東へも広がりを見せた。2008年より米国外科学会外傷外科委員会がATOMコースを監督することとなった。
我が国では、2007年より有志の日本人外傷外科医、一般外科医そして救急医によりATOMコースの導入の準備が進められ、地域医療振興協会の主催により2008年12月、自治医科大学において米国よりATOMコースを担当する外傷外科医を招聘し、第1回日本ATOMコースを開催することが出来た。これを機に米国外科学会より自治医科大学は日本ATOMコースのサイトとして認められ、2010年6月までに合計3回のコースを行った。
コースの目標
- 受講生は外傷患者に対して適切な外科手技について説明することが出来る。
- 受講生は各臓器の外傷を診断し、外科的修復を行う為の管理計画が立てられる。
- コース受講を通じて受講生は以下のことが達成できる
○外傷患者の管理について自信を持つ
○貫通外傷患者の治療に関する知識を身に付ける
○コース中に行われる全ての外科手技について安全かつ確実に実施する
対象
ATOMコース受講の対象となる者は、外傷外科診療にかかわる一般外科医である。
受講条件は以下の通りである。
- ?日本外科学会の外科専門医又は指導医の資格を有する事、または専門医取得を1・2年以内を予定している事
- 日本における外傷初期診療の標準化教育コースであるJATECまたはPTLSを受講している事
- 日常診療において救急・外科診療に従事している事
補足)
平成23年11月19日、日本外科学会教育委員会からの許可を頂き、ATOMコース受講生の応募資格を、専門医を取得していない若手外科医にも拡大することになりました。受講生の外科医としての質を担保するために、応募に先立ち、受講希望者の直属の指導医からの推薦を確認したいと思います。具体的には応募申し込みの際に、指導医の方の氏名と日本外科学会会員番号を記載して下さい。奮って参加下さい。
認定・単位
コース修了後、米国外科学会発行の修了証明書が与えられる。
受講料
一人当たり 30万円(税込) (令和4年11月より値段が変更)
日本ATOMコース
責任者(Principal Investigator)
自治医科大学病院外科教授 アラン・レフォー
コース管理者(course manager)
九州大学大学院医学研究院先端医療医学部門災害・救急医学 永田 高志
ATOMコースは1日の中で30分の講義7コマの後、3時間の実技で行われ、12の外傷症例に対する外科実習が行われる。
講義の内容は以下の通りである
- 外傷における開腹手術
- 脾臓・横隔膜損傷
- 肝損傷
- 膵十二指腸損傷
- 泌尿生殖器損傷
- 心血管損傷
実技では受講生と指導者が1対1となり、シナリオに基づく症例が提示され、受講生は各臓器の外傷を同定し、修復を行う。対象となる臓器は以下の通りである。
- 膀胱
- 尿管
- 十二指腸
- 腎臓
- 胃
- 横隔膜
- 膵臓
- 脾臓
- 肝臓
- 心臓
- 下大静脈
受講生はプレテスト、ポストテストおよび各評価をオンラインにて英語で修了することが求められる。
ATOMコースの教材(教科書及びCD-ROM)および受講生用資料は以下のサイトより各自購入することが求められる。
http://cine-med.com/index.php?id=ATOM01(外部リンク)
http://cine-med.com/index.php?nav=books&id=TC6015(外部リンク)
Q&A
Q. なぜATOMコースの受講に先立ち、JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)やPTLS(Primary Care Trauma Life Support)、ATLS(Advanced Trauma Life Support)などの外傷初期診療の標準化教育コースを受験しなければならないのですか?
A. 日本における外傷診療は基本的にJATECに準拠して行われております。そして外傷外科の手術の位置づけもその中で明確に決められております。外傷外科手術を行うためには、病院前そして病院到着後手術室搬入までの診断・蘇生の流れを理解することは不可欠と考えております。
米国では外科レジデントは米国外科学会の外傷初期診療の標準化教育コースであるATLS(Advanced Trauma Life Support)レベルの知識を最低限身につけており、加えて外傷センターでの研修を行なうため外傷診療を身につけた上でATOMコースを受講しております。
なお、JATECに関する情報はhttp://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html(外部リンク)を参照ください。PTLSに関しては公益社団法人 地域医療振興協会まで直接問い合わせください。
Q. 口蹄疫などの動物感染症が問題となっておりますが、大丈夫でしょうか。
A. 実習で使用する実験豚は、契約業者によって厳密に管理されたものでして、肝炎を含む感染症のスクリーニングを経たものです。ATOMコースは手術のトレーニングコースですので、手術に伴う各リスクが伴うことをご理解の上、自己責任で参加していただきます。
Q. 費用が非常に高額だと思われるが?
A. ATOMコースでは受講生1名に実験豚を1名ずつ割り当てております。加えて手術用縫合糸、自動吻合器、麻酔薬に加え、麻酔担当医・手術用看護師の人件費も含まれております。コストダウンは常に心がけて運営している状況です。米国でのATOMコースの受講参加料は1700-2000ドルです。米国のサイトでATOMコースを受講する場合は渡米のための往復の旅費と宿泊費・雑費を考えますと、適正な価格でコース開催を行っております。また日本ATOMコースは米国と比較しても質の高い教育を提供できると自負しております。
関連サイト 米国外科学会 http://www.facs.org/trauma/atom/(外部リンク)
Q. 動物愛護について
A. 法律に基づいて行われます。また受講生は倫理講義の受講を義務づけております。
Q. 見学は出来ますか。
A. 残念ですが外部者の見学は一切行っておりません。実習センターの安全を確保するための処置とご理解ください。
Q. ATOMコースは日本語で受講できますか?
A. 出来ます。ただし、テキストやプレテストは翻訳作業がまだ終わっておりませんので、英語で受けていただきます。
Q. テキスト購入は必須でしょうか。
A. 各先生方の判断にお任せしたいと思います。ただし、プレテスト、ポストテストそして実技で問われる内容はすべてATOMコースのテキストに準拠しております。
Q. コースの募集人数が少ないようですがいかがでしょうか?
A. ATOMコースの実技では各受講生に対して1名ずつインストラクターと1頭の実習用豚を割り当ててコースを行うため、一度に大勢の受講生を受け入れることが出来ません。現在は自治医科大学のみでコースを行っておりますが、将来はコース受講が可能なサイトが複数立ち上がる予定ですので、コースの回数も増え、受講する機会が増えることを目指しております。
Q. なぜ受講料が平成25年4月1日より28万円に上がるのですか?
A. 今まで無償提供されておりました、コース開催に必要な使用資機材の一部が有償化されるためです。
Q. 日本ATOMコースにおける利益相反の状況はいかがでしょうか?
A. 日本ATOMコースの開催のためには、多くの関係者の協力と様々な資機材が必要となります。
Q. 受講が決定した後に受講料の払い戻しを行わないと聞いておりますがなぜですか?
A. ATOMコースの受講が決定した時点(通常はコース開催2,3ヶ月前)で、ウエットラボのための実験豚を購入し準備を行うため、多大なコストがかかります。万が一、何らかの理由で受講できなかった場合は、各サイトの責任者と相談の上、受講生が責任を持って代わりの受講生を探す努力をされて下さい。なお、本件についてトラブルが発生しても、日本ATOM委員会は責任を持たず、各サイトと相談の上対応されて下さい。是非この機会に、ウエットラボで外科訓練を行うことの重大性をご理解下さい。
受講生登録、及び申込み方法
E-mail:first_division@jssoc.or.jpまで以下の必要事項を明記の上、ご応募下さい。
登録に必要な情報
- 氏名(漢字、ひらがな、英語表記)
- 学位(MD, Ph.D.)
- 性別
- 年齢
- 日本外科学会会員番号
- メールアドレス
- 所属
- 所属住所
- 所属電話番号
- 有資格者の方は専門医又は指導医番号を記載して下さい
- 専門医未取得者は、直属の指導医の氏名、日本外科学会会員番号を記載して下さい
- 外傷初期診療の標準化教育コースの受講歴(最後に受講したコースと日時)
- 日常診療で外傷を含めた外科手術を行う状況であることを明記
- 申込み回数(自己申告)
- その他(自由記載)
- いずれの日程を希望するか明記(例:第1希望○月○日、第2希望○月○日)
問合せ先
日本外科学会教育委員会 E-mail:first_division@jssoc.or.jp
注)コースに関する問い合わせは必ずE-mailにてお願い致します。