日本外科学会では将来計画委員会内に「外科医のインセンティブに関するワーキンググループ」を組織し、「外科医のインセンティブ」について検討を重ねております。本年1月に「外科医のインセンティブ」に関する実態調査および意識調査を、本学会の外科専門医制度修練/関連施設の施設長の先生を対象に実施させて頂きました。約半数のご施設から貴重なご意見を頂くことができました。ご多忙の折、ご協力を賜りありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
外科医の育成には外科専門医および専門分野の外科専門医取得が目標となります。外科専門医の取得には、120例以上の術者、350例以上の手術手技の経験を必要とし、合格率80%の筆記試験が課せられています。加えて、サブスペシャルティ領域の外科専門医取得にはさらに長時間の修練と資格試験を必要とします。しかし、これらの実績に対して、外科医に対するインセンティブが十分に考えられていない現状があります。
既に始まっている働き方改革では、外科医の長時間労働が大きな問題となっています。過酷な労働環境が敬遠され、若手医師の外科医離れが進んでいることも事実です。また、外科医の過酷な労働に対して正当な対価が支払われているのかとの疑問が常に生じます。
本アンケートでは、外科医個人に対する金銭的インセンティブ、いわゆるドクターフィについて質問させて頂きました。既にドクターフィを導入され、実績につなげておられる施設においては現状をご教示頂きました。また、今後導入を検討されている施設においてはご意向をご教示頂きました。頂きましたご意見からはドクターフィの現状と外科医の労働環境の実際が浮き彫りとなりました。アンケート結果を調査集計として纏めさせて頂きました。ご協力頂きました各施設にご送付させて頂くと共に、ホームページで公開させて頂きますので、外科医のインセンティブについてご参考にして頂ければ幸甚です。
なお、頂きました貴重なご意見の全てをアンケート調査集計に記載することはできませんでした。ご容赦お願い申し上げます。ご多忙のなかアンケート調査にご理解ご協力頂きましたこと、重ねてお礼申し上げます。
【アンケート調査集計の概要】(PDF)
【アンケートの解析結果】(PDF)
令和元年11月
一般社団法人日本外科学会
理事長 森 正樹
「外科医のインセンティブ」WG
委員長 碓氷章彦