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会頭挨拶

第123回日本外科学会定期学術集会 会頭
東京慈恵会医科大学 外科学講座 血管外科
大木 隆生

この度、第123回日本外科学会学術集会を会頭として、2023年4月27日(木曜日)-29日(土曜日)に東京の地におきまして主催させていただきます栄誉を賜りました。本学会役員、会員をはじめとした関係各位の皆様方に心より感謝申し上げます。

今回の学術集会テーマは「より高く、より遥かへ -Higher and Further Together-」にいたしました。このテーマには、より難しい手術、より高い技術への挑戦、より意義の高い、より患者満足度の高い外科医療、より高い外科医の社会的地位と待遇、など様々な意味が込められておりますが、その根底には、欧米でそうであるように「外科学こそが医学の王道」であり、より高く遥かなところまで外科医、そして外科医療を昇華させたいという強い思いを込めております。外科医不足が叫ばれて久しく、学術集会翌年の2024年には医師の働き方改革を控えており、いままさに外科医療は岐路に立たされております。若手外科医、そしてこれから外科医を志す次世代が安心してメスをふるえる環境整備をするために基盤学会として何ができるのか、何に取り組むべきなのかを議論し、それを実現できるような主催校プログラムを準備しております。一方で、手術不能の壁に挑む、医療機器開発といった、イノベーションにもフォーカスを当てたプログラムにより外科医療の可能性、展望を語り合う機会を設け、「外科を志して悔いなし」と改めて実感するとともに、外科医療を盛り上げる一助としたいと考えております。なお、ポスターに用いた写真は私が自ら後続の民間航空機の機内から撮影したものですが、雲一つなく青く澄み渡る空に向かって、飛行機がより高く、より遥かへ飛び立つ様子から外科学の明るい未来が表現されており、まさに本会のテーマを象徴しています。

COVID-19による学会のオンライン化は、利便と効率の向上に寄与するものの、その反面、若手の人的交流ならびに共同体意識の涵養の場が失われているという側面を持ち合わせております。今回は4年ぶりとなる現地主体の開催となり、会場は東京駅、羽田空港からのアクセスも良く、全国から集まりやすいグランドプリンスホテル新高輪とし、第一会場には国内屈指の屋内イベント施設である「飛天」を使用します。COVID-19の5類へのダウングレードも決定した今、本会ではポストコロナ時代の号砲を鳴らすべく、新しいスタイルの学術集会を目指しております。オンラインの利便性を取り入れつつ、学術集会の目的と意義である学術情報の発信、交換にとどまらずに、人的交流促進とそれによってのみ得られる外科医全体の仲間意識/共同体意識の涵養につながることを切に願っております。

本学術集会は東京慈恵会医科大学といたしましては通算4回目、第86回長尾房大会頭以来37年振り、そして海軍軍医総監、慈恵医大の学祖高木兼寛が主催してから120年目の節目の年の主催となります。教室員のみならず同門一同で開催を心待ちにしており、鋭意準備して参りました。慈恵医大らしいおもてなしを演出するために『江戸東京』が感じられる「フリーフードで数量制限なし」の「縁日」をホテルプールサイドにて連日朝から晩まで運営します。コングレスバッグ、学会ペンなど各種オリジナルノベルティにも私自身の想いを込めました。
どうか奮って「現地」ご参加の上、会場内で熱い議論を交わしていただけますようお願い申し上げます。その結果、外科学がより高く、より遥かへと前進できましたら主催校として望外の喜びとなります。

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