第122回日本外科学会定期学術集会

第122回日本外科学会定期学術集会

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会頭挨拶

第122回日本外科学会定期学術集会 会頭
熊本大学病院 病院長、熊本大学消化器外科学 教授
馬場 秀夫

 この度、歴史と伝統を誇る日本外科学会の第122回定期学術集会を2022年4月14日(木)~16日(土)に、熊本市で開催させていただくこととなりました。大変光栄なことと存じ、機会を与えていただきました関係各位の皆様方に心より感謝申し上げます。

 2022年は丁度、熊本大学の外科学講座が開講して100年の記念の年に当たります。熊本大学の外科学講座として、日本外科学会の定期学術集会を開催させていただくのは、今回が初めてであり、熊本大学外科学講座・同門・熊本県・熊本市が一体となって、準備を進めているところであります。

 テーマは「外科学の未来を拓く」とさせていただきました。今や、外科学の進歩は目を見張るものがあり、さまざまな診断・治療の医療機器の進歩により、治療は多様化し、高度化して参りました。さらに、AI/ロボット技術やゲノム診断・治療、免疫療法などの急速な開発により、これまでにないスピードで外科治療の在り方そのものが大きく変容を遂げつつあります。

 外科学は長い歴史の中で多くの先達がたゆまぬ努力をして築き上げてきた知識と技術に立脚し、その果実を我々が受け継ぎ、そして更に新しい知識や技術を積み重ねて次世代の外科医にバトンを渡していく必要があります。今まさに大きく変容を遂げつつある外科学の未来に思いを馳せ、20年後・30年後を見据えて、「外科学の未来を拓く」ために、参加者が一堂に会し、熱い議論を戦わせる場にできればと願っております。

 「外科学の未来を拓く」のテーマに沿った10セッションでは、(1)AIが拓く未来の医療、(2)ロボット手術と遠隔医療の未来、(3)ゲノム医療は未来の外科医療をどう変えるか?(4)臓器再生・置換の未来、(5)未来を拓く手術手技の伝承、(6)未来へ向けた外科教室の創造、(7)未来を担う研究者からの発信、(8)未来へ羽ばたくUnder40の外科医たち、(9)世界で活躍する外科医からのメッセージ、(10)ムーンショットが拓く2050年の医療とは?など、未来を見据えた内容にしております。さらに、今回初めての企画として各サブスペシャルティ領域の最近の進歩について、「知っておきたい外科学の最新トピックス」と題して教育的講演をしていただくこととしております。

 熊本は九州の中央に位置し、水と森の都として名高く、阿蘇・天草・熊本城や水前寺成趣園といった風光明媚な観光名所が多く、また黒川温泉に代表される温泉が県内各地に湧き出ており、一度は訪れる価値ある地方都市と認識しております。2016年の熊本地震、2020年の人吉球磨地方の豪雨水害、そして先の見えないコロナ禍という厳しい状況の中、2022年に日本外科学会の定期学術集会を熊本の地で開催できるということは、大学関係者のみならず熊本県民にとって久々の明るいニュースであり、熊本県・熊本市を挙げて、皆様を温かくお迎えしたいと心より願っております。

 コロナ禍の状況がどのように推移するか、先の見通せない状況でありますが、ワクチン接種により状況が改善するようであれば是非とも現地に足をお運びいただきWEBの利用も併せて、多くの外科医の皆様に参加していただきますことを切に望んでおります。何卒、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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