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会頭挨拶

第120回日本外科学会定期学術集会開催にあたって
会頭  北川 雄光(慶應義塾大学医学部外科学教室)

 この度、2020年4月16-18日の会期で横浜市におきまして第120回日本外科学会定期学術集会を主催させていただきます栄誉を賜りましたこと、皆様に心から感謝を申し上げます。

 120という数字は人間の生涯においては「大還暦」とも称され、伝統ある日本外科学会もこの「大還暦」を迎え新しい時代の起点に立っております。この大きな時代の転換点であるがゆえに、あえて外科学の原点に立ち返り若い世代が勇気と希望を抱いて次の時代に歩み出せることを切に願って、本学術集会のテーマを「命と向き合い 外科医として生きる-To live as a surgeon: Looking life in the eye-」といたしました。直接的に生命を左右しかねない医療は、ともすると昨今の若い世代からは敬遠されがちです。厳しい修練や医療行為そのものに伴うリスク、ストレスがいわゆる「外科離れ」を助長しているとも言われています。この記念すべき定期学術集会において、今一度、命と向き合うこと、外科医として生きることの喜び、誇りを皆様とともに見つめ直してみたいと考えています。

 第120回定期学術集会を記念して大きく二つの特別企画シリーズを設けました。特別企画「命と向き合う」では、外科手術でしか救えない命に立ち向かう高難度手術にスポットを当て、これを実現する様々な技術革新の現況に迫ります。8K/3Dシステムによる高精細画像がもたらす外科解剖学の新展開、次世代手術支援ロボットの幕開け、ご献体を用いた手術手技研修のあり方(本学会初のライブデモ)、人工知能(AI)を駆使したSociety5.0を舞台に外科医はどう生きるのかなどのテーマを取り上げます。特別企画「外科医として生きる」においては、自らを磨きあえて困難な手術に立ち向かう外科医の精神構造に迫ります。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に因んで、重圧を跳ね除けて栄冠を勝ち取ったオリンピックアスリートにもその想いを語っていただきます。また、世界、地域を舞台にそれぞれの分野でそれぞれの夢に向かって奮闘する外科医たちの生き方や女性が外科医として光輝くことの素晴らしさにスポットライトを当てます。さらに、若手外科医が未来に向けて抱いている不安をあえて浮き彫りにして、未来の外科学のあり方を考えるパネルを、司会も含めて若手外科医だけで構成いたします。学会2日目には国立大ホールにて第120回日本外科学会定期学術集会記念式典を開催いたします。この式典においては、公募に応じてくださった若手外科医、研修医の中で審査を通過した代表者に「未来を担う若手外科医からのメッセージ」を披露していただきます。まさに次の時代を担う外科医たちの強い思いに皆様とともに耳を傾けることが本学術集会の一つのハイライトになるものと期待しています。

 こうした特別企画、記念式典には会員の皆様はもとより、これから外科を目指す医学部生、初期臨床研修医の諸君にも是非参加していただきたいと考えています。そのため本学術集会では医学部生に加えて初期臨床研修医も参加費無料といたしました。本学術集会を通じて、全ての皆様が命と向き合うことの喜びをあらためて実感し、次の時代を担う皆様に外科医として生きることの素晴らしさを伝えることができますよう慶應義塾大学外科学教室一丸となって準備に邁進して参ります。どうか奮ってご参加いただけますようよろしくお願いいたします。

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