全ての国⺠が質の⾼いがん診療(標準的な手術療法、放射線療法、薬物療法等)を等しく受けられるよう、がん診療連携拠点病院の整備が進められたが、その整備指針の中⾝、特に承認要件を知っている会員はどのくらいおられるだろうか。そこでは先進的な医療や高度な手術は特に要求されておらず、手術手技の修練に余念の無い会員にとっては想定外な内容が多いのではないかと思う。がん診療を受けた人、あるいは家族をがんで失った人に対して、より良いがん診療への提案を求めるアンケート調査を行った場合、受けた手術そのものには特に不満がないのであれば、手術療法についてそれ以上の希望は出ないものである。むしろ、診療の様々な局面で、不安や疑問を感じた時に相談に乗ってもらえたか、話を聞いてもらえたか、あるいは、その病院で手薄な部門はなかったか、痛みにしっかりと対応してもらえたか、脱毛など薬物療法の有害事象について丁寧な説明や対応があったか・・・。外科医の思いとは恐らく少し異なった所にある「質」を患者は求め、そのあたりの改善を「国」は要求している。永年こうした承認要件を議論するWGの座長を務められた藤也寸志先生と支持療法のエキスパートである国立がん研究センターの内富庸介先生に司会をお願いし、指定演者に元厚労省医務技官の福島靖正先生、特別発言にがん研有明病院の佐野武病院長をお迎えする。
それにしても、このままでは「外科医には特に何も要求しなくても自主的に向上心を発揮して手術療法を発展させてくれるので、外科治療についての要件は特に必要ない」と判断されてしまうのではないかと危惧される。また、患者は、そして「国」はがん専門病院に何を求めているのかを外科医としても認識しておかないと、日々努力をしていることが「国」に評価されず外科治療をがん診療の水準に関わる重要なピースであると考えていただけなくなる可能性を懸念する。
本セッションは、特にがん診療拠点病院の指定を受けたい、あるいは自院をその地域のがんの専門病院にしたいと考える会員にはぜひ聴いておいていただきたいセッションである。
それにしても、このままでは「外科医には特に何も要求しなくても自主的に向上心を発揮して手術療法を発展させてくれるので、外科治療についての要件は特に必要ない」と判断されてしまうのではないかと危惧される。また、患者は、そして「国」はがん専門病院に何を求めているのかを外科医としても認識しておかないと、日々努力をしていることが「国」に評価されず外科治療をがん診療の水準に関わる重要なピースであると考えていただけなくなる可能性を懸念する。
本セッションは、特にがん診療拠点病院の指定を受けたい、あるいは自院をその地域のがんの専門病院にしたいと考える会員にはぜひ聴いておいていただきたいセッションである。
質管理の世界において「課題」とは、理想状態と現状の差、ばらつきを意味し、その認識があって初めてその領域の成⻑が期待できるとされる。第117回定期学術集会では「医療安全そして考える外科学」とのテーマの下、「医療の安全安⼼を確かなものに」という特別企画が催され、当時の具体的な医療事故が外科診療に投げかけた10の課題等について活発な議論が行われた。あれから7年、どのような成⻑が遂げられたのか。本セッションでは、質管理を審査の柱とする国際認証(JCI)が何が求められているかにも言及しながら、改めて近未来における本邦外科領域の患者安全・質管理の在り方等を議論する。
女性外科医の活躍ぶりはめざましく、「女性でも参画できる職業」から、「女性だからこそ外科医」という時代に向かっているように感じられる。本セッションでは外科における女性ならではの強み、適性について様々な見解を述べていただく。また、その特性を活かした女性外科医をいかに育てるのか、そのために医局員全体の働き方をどのように改革していくのか等、上司や指導医の立場、あるいは女性外科医のパートナーの立場からもお話をいただく。一方、文献を紐解くと、女性外科医が生活の質を維持しながらストレスなくキャリアを推進するのは、欧米においてすら未だ容易ではない様子も見て取れる。このあたりの実情を小児外科医であり関係著書の多いMary Brandt先生に解説していただく。司会は食道外科医として長年活躍して来られた外科学会ダイバーシティ推進委員長の平松昌子理事(高槻赤十字病院)と田尻達郎教授(九州大学小児外科)にお願いした。
医師の働き方改⾰が本番を迎え、時間外勤務を年1,860時間以内に抑える制度が2024年4月から開始される。この「暫定的」な働き方改⾰の実現のために考え抜いた⼯夫、特に今からでも実施できる対策について最後の情報交換ができる場としたい。さらに10年後には全ての外科医が時間外勤務を年960時間以内に抑えることが求められている。これは実際に可能なのであろうか。臨床でも研究でも真に創造的な成果は寝ても覚めても何かを考えているようなタイプの人から生まれていた可能性があるが、今後はそのような人材はどのように仕事をしていくのか。そして今後もアカデミアから世の中を変えるような成果は生まれるのか。この先の働き方改⾰についても議論を開始していただきたい。
ARCADアジア(Aide et Recherche en Cancérologie Digestive Asia)とは、アジアを中心として行われた過去の治験・臨床試験データを収集・統合し、医薬品の研究開発等への利活用を行うことを目的としたデータシェアリング事業である。データベースに格納されている過去の治験・臨床試験結果を利活用することで、単一の研究では解析できないような統合解析を行うことが可能となり、研究への幅広いアプローチが可能となる。Stage IV大腸がんの治験・臨床試験データを対象にシェアリングを開始し、胃癌等、他の癌種にも拡げていく。データシェアリングの意義と必要性を紹介し、これまでの成果と可能となる解析例を示し、新薬開発にも活用される今後の展望について語っていただく。
旧専門医制度で認定された外科専門医は内科専門医と共に機構専門医に移行せず、学会専門医に留まっている。ただし、2018年の新専門医制度開始後に専攻医となった若手は機構専門医となることから、それ以前の専門医もいつかは機構専門医に移行する日が来ると推察される。現状でそれを妨げているのは何か。また、当初日本外科学会として示し、ホームページにも掲載されているグランドデザインでは現在のサブスペ専門医の上にさらに⾼度な医療を担う3階部分があった。ここはどのような位置づけになるのだろうか。専門医制度委員会での議論は毎回理事会で時間をかけて報告されているが、その後は代議員に定時社員総会で簡略に説明されるものの、すべての会員へのフィードバックの機会は設けられていない。そこで本セッションでは江口英利専門医制度委員長から現時点での新専門医制度の問題点を述べていただくとともに、斎藤光江理事からは日本専門医機構副理事長の立場から解説をいただくことを最大の目的としている。
外科医の役割はサブスペ毎に異なる側面があり、外科治療における低侵襲性の向上、進化する診断技術、薬物療法の個別化・複雑化、サバイバーシップ支援、研究等、身につけるべきスキルは時代とともに変化し、キャリアパスも多様化している。基盤となる外科専門医を取得するための外科専攻医としての3年間の過ごし方、あるいはこれに期待する内容も、実際にはサブスぺ領域によってまちまちなのかもしれない。本セッションでは各サブスぺ領域から新専門医制度における専攻医を経験した(あるいは経験中の)若手外科医に御登壇いただき、3年間で何をどのように学び、どのように成⻑して来たかを語っていただく。同時に、今後の専攻医のあり方について各サブスぺ領域の専門医制度担当者と意⾒交換を行い、よりよい制度設計について議論していただきたい。司会は日本外科学会専門医制度委員長である江口英利教授と、心臓血管領域の専門医制度構築について永年尽力してこられた種本和雄教授にお願いした。
本セッションは主催校として学術集会テーマと併せて企画させていただきました。
当初予想よりも多数の演題をご応募いただき、一部のセッションでは2部構成とさせていただいております。これから先を見据えた様々な企画を用意しておりますので、是非ご来場のうえご聴講ください。
日本専門医機構は医師少数地域の診療を専門医のローテーションで支えるシステムを提案した。専門医制度の本来の目的とは異なるとして各学会はこれに反対し、ローテーションは現時点では努力目標的な位置づけになっている。この間、日本外科学会はProfessional autonomyの観点から学会として医師の地域偏在の実態を把握し、これを是正する取り組みが必要と考えた。そのために本学会専門医制度委員会として行ったアンケート調査の結果を担当の名古屋大学・高見秀樹講師から供覧していただき、外科医不足の現状を把握していただく。その上で、外科医が増えていない現状でも日本の外科医療を持続可能なものにするための方策を各方面から知恵を出し合っていただく。
すべての会員が外科医を増やすために必死の努力をしているものと思われ、その成功体験を富山大学の藤井努教授に語っていただく。しかし、わが国全体としては努力の甲斐なく外科医は増えていないわけで、外科医の業務を調整して本来の職務である外科手術に集中できる世の中をつくるよう努力する必要もある。看護師特定行為研修を通じたタスクシフトは国策であり、この制度の活用について福島県立医科大学特定行為研修センターの見城明先生から演題をいただいた。また、外科医が多くの外科医が業務の一環としてがん薬物療法に多くの時間を取られており、また救急医療においても外科医への依存度は大きい。これらの点について、高名な腫瘍内科医である東京大学医科研の朴成和教授、愛知県がんセンターの室圭副院長に薬物療法の負担軽減に向けて外科医にできること(例えば、腫瘍内科医を一人派遣していただけた場合、外科医がどのように協力すれば長く働いていただけ、さらに増員していただけるかなど)を伺い、救急医療については藤沢市民病院外科の山岸茂先生、福島県立医科大学消化管外科の門馬智之先生から演題をいただいた。ロボット支援下手術は手術に必要な外科医数の低減、合併症率の低下、そして人間工学的な観点からは外科医寿命の延伸を通じて外科医不足の処方箋となりうる。この点については京都大学消化管外科の岡村亮輔先生に演題をいただいた。以上の多彩な内容をとりまとめて外科のサステナビリティのための方向性を考える本セッションは、第124回日本外科学会学術集会の根幹をなすものである。司会は慶應義塾大学の北川雄光教授、広島大学の大段秀樹教授にお願いした。
すべての会員が外科医を増やすために必死の努力をしているものと思われ、その成功体験を富山大学の藤井努教授に語っていただく。しかし、わが国全体としては努力の甲斐なく外科医は増えていないわけで、外科医の業務を調整して本来の職務である外科手術に集中できる世の中をつくるよう努力する必要もある。看護師特定行為研修を通じたタスクシフトは国策であり、この制度の活用について福島県立医科大学特定行為研修センターの見城明先生から演題をいただいた。また、外科医が多くの外科医が業務の一環としてがん薬物療法に多くの時間を取られており、また救急医療においても外科医への依存度は大きい。これらの点について、高名な腫瘍内科医である東京大学医科研の朴成和教授、愛知県がんセンターの室圭副院長に薬物療法の負担軽減に向けて外科医にできること(例えば、腫瘍内科医を一人派遣していただけた場合、外科医がどのように協力すれば長く働いていただけ、さらに増員していただけるかなど)を伺い、救急医療については藤沢市民病院外科の山岸茂先生、福島県立医科大学消化管外科の門馬智之先生から演題をいただいた。ロボット支援下手術は手術に必要な外科医数の低減、合併症率の低下、そして人間工学的な観点からは外科医寿命の延伸を通じて外科医不足の処方箋となりうる。この点については京都大学消化管外科の岡村亮輔先生に演題をいただいた。以上の多彩な内容をとりまとめて外科のサステナビリティのための方向性を考える本セッションは、第124回日本外科学会学術集会の根幹をなすものである。司会は慶應義塾大学の北川雄光教授、広島大学の大段秀樹教授にお願いした。
鏡視下手術、さらにロボット手術が急速に普及し始めた現在、上司の手術を「⾒て盗む」時代から、第一線で活躍する外科医の手術ビデオを「観て学ぶ」時代へシフトしつつある。一方で、基本的な技術が未熟にも関わらず上級者ビデオの部分的な「いいとこ取り」の弊害など、その方向性には一定の議論が必要である。研修医から若手外科医に対して個々の技量に合わせた質の⾼い外科教育を如何に行っていくべきかを、様々な分野のエキスパートの立場から議論していただきたい。また、他職種での教育の現状についても講演いただき、今後の遠隔技術を応用した手術指導をどう展開していくべきか等について議論していただきたい。本セッションは招待演者として構成した。
一般的な標準的手術以外の⾼難度手術や特殊な手術手技において、その⾼度な技術を如何に次世代の外科医へ伝承・継承していくかは、領域を問わず大きな課題である。開胸・開腹手術等の直視下手術では、「一子相伝」的な技術の伝承方法がわが国の100年を越える外科医療を⾼い水準で支えてきた一方で、外科医の人材的損失や新たな技術導入の遅延等一定の負の側面を招いたことも事実である。本セッションでは、外科手術のみならず、伝統芸能等の他領域での技術の伝承についても現状と課題について講演いただき、今後の外科技術の継承のあり方について議論していただきたい。
鏡視下手術、さらにロボット手術が急速に普及し始めた現在、上司の手術を「⾒て盗む」時代から、第一線で活躍する外科医の手術ビデオを「観て学ぶ」時代へシフトしつつある。一方で、基本的な技術が未熟にも関わらず上級者ビデオの部分的な「いいとこ取り」の弊害など、その方向性には一定の議論が必要である。研修医から若手外科医に対して個々の技量に合わせた質の⾼い外科教育を如何に行っていくべきか、また、今後の遠隔技術やAIなどの新技術を如何に手術指導に応用していくべきか等について議論していただきたい。本セッションは多数の公募演題をいただいたため、全て公募演題として構成した。
ロボティックス、通信技術等の発達に加え、AIを中⼼とするデータサイエンスが外科医療と研究における匠の技や暗黙知を伝承するための鍵となることが期待されている。本セッションでは最先端のロボット機器やAI技術に加え、モニターなどの手術器具開発の最前線について講演いただき、本邦発の新技術開発促進につなげたい。さらに、「空飛ぶクルマ」など他分野での最先端技術開発のノウハウについても講演いただき、今後の外科医療における技術⾰新への橋渡しとなればと考える。本セッションは招待演者として構成した。
ロボット支援下手術においては術者が助手とカメラオペレーターもこなし、人間⼯学的に好ましい体勢で手術を行うことができる。手術に必要な外科医の数は減り、外科医の寿命が延伸する等、外科医不⾜に一⽯を投じることができる可能性がある。手術の遠隔指導も可能となり、将来的にはロボットから受信する情報を元にAIを介してある程度の自動運転も実現される可能性がある。本セッションは会頭がこの分野で地元愛知を代表してわが国をリードする宇山一朗教授に様々な手術支援ロボットを活用して外科医不⾜、地域偏在が解消される未来像を描いていただくよう委嘱したものであり、共同司会は前日本内視鏡外科学会理事長の坂井義治名誉会員にお願いした。
本邦での外科医の業務内容は周術期管理、救急医療、薬物療法、緩和医療、基礎・臨床研究等、多岐にわたるものであり、外科医のdiversityとは性別のみを示すものではない。個々の外科医の多様性(diversity)を尊重し、ライフイベント等人生の様々な時期における社会的状況を考慮することはもちろんだが、各々の外科医の適性に応じた業務のあり方、キャリアパスを考える(inclusion)ことも重要な視点である。医療業界より先んじてこうした課題に取り組み、克服しつつある企業の現状や課題と対比しつつ、考えていただきたい。
近年、気候変動が健康や医療にもたらす問題がしばしば取り上げられる一方で、医療が環境にもたらす影響に関する報告は極めて限定的である。医療による温室効果ガス増加の要因として、医療行為による電力消費や医薬品・医療材料の生産・消費の影響が大きいと報告されている。外科領域においては大量のディスポーザブル機器使用に加え、⾼出力機器の電力使用、鏡視下手術でのCO2排出、surgical mist等、環境や人体に与える影響は少なくないと考える。これらの諸問題に関して多くの関連企業の方々にも御講演をいただき、現時点での知⾒を取りまとめる機会とする。医療サイドからのSGDsへの取り組みの端緒としていただきたい。やや渋めのテーマではあるが、後日のweb配信も含め、多くの会員の先生方に御視聴をお願いしたい。
持続可能な外科診療のためには外科医の転職を減らすことも重要である。特に熟練した外科医のドロップアウトは社会的に大きな損失である。Uncontrollable lifestyleが若手の外科離れの要因とされるが、働き方改⾰はこれに対する妙薬になるのだろうか。政策動向に基づいた働き方改⾰の考え方とはどのようなものなのだろうか。外科手術に従事することそのものが⾁体的な負担になるとされ、多くの外科医が頸椎や腰椎を痛めるが、そこへの配慮はどのようになされるべきなのだろうか。様々な角度から「外科医が体調不良を理由に辞めないで済む」診療環境のあり方を追求してみたい。このようなセッションを学術集会に組み込む必要性は会頭が昨年のAmerican College of Surgeonsのセミナーを聴いて強く感じたものであり、その際の招待演者の一人であるMary Brandt先生に基調講演をお願いし、整形外科医である中京大学スポーツ科学部の清水卓也教授にも見解をお伺いする。司会は岐阜大学の吉田和弘学長、金沢医科大学一般・消化器外科の藤田秀人先生にお願いした。
ロボティックス、通信技術等の発達に加え、AIを中⼼とするデータサイエンスが外科医療と研究における匠の技や暗黙知を伝承するための鍵となることが期待されている。本セッションでは最先端のロボット機器やAI技術に加え、再生医療や手術機器・材料開発等、医⼯連携による新技術について開発段階や薬事承認有無を問わず広く研究内容を紹介いただき、本邦発の新技術開発促進につなげたい。さらに、他分野(宇宙、海洋、自動⾞関連等)のエキスパートに最先端技術開発のノウハウについて講演いただき、今後の外科医療における技術⾰新への橋渡しとなればと考える。本セッションは多数の公募演題をいただいたため、全て公募演題として構成した。
わが国の限られた人的資源の中で、多様な価値観を共有しワークライフバランスを維持しつつ質の⾼い外科医療を持続させるためには、チーム医療や他職種・他業種あるいはデジタル技術を活用したタスクシフト/シェアの推進が求められるが、人材育成やタスクシフト/シェアを行うための人材不⾜等解決すべき課題は多い。本セッションでは、特定行為を行う看護師をはじめとしたメディカルスタッフ、関連企業から活動内容を発表いただき、今後の外科医療におけるさらなるチーム医療やタスクシフトの推進につなげたい。また、タスクシフト/シェアに関わる行政からこれまでの取り組みと普及、課題について提示していただきたい。
シンポジウム11.「外科医が基礎研究を行う意義―PhysiologyとOncologyの観点から」
このセッションのタイトルの前半には外科医不足が叫ばれている中、基礎研究に時間を割くべきかという会頭の懸念が示されている。しかし、基礎研究に熱意を持つ教室員にセッションの設計を委ねたところ、「外科医こそが臨床的疑問を的確に捉え、答えを導き出すような基礎研究に取り組むべきである」との言葉とともに、基礎研究を強く支持するコンセプトが提示された。そのため研究に関わる優れた内容の演題が46題も集中し、司会の藤原俊義教授(岡山大学)、小田竜也教授(筑波大学)には採択に大変なご苦労をおかけした。このセッションでは指定演者として理科研バイオコンピューティング研究チームの高橋恒一チームリーダーにAIとロボティクスを組み合わせた実験自動化技術のお話をいただく。外科医がピペットを握らずに研究を進める近未来を垣間見ることができるかもしれない。ソウル国立大学胃外科で臨床に忙殺されつつも手塩にかけた部下を海外のラボで研究に従事させるHan-Kwang Yang教授には、外科医に研究を勧める理由を話していただく。そして日本医療研究開発機構(AMED)疾患基礎研究事業部部長で元乳腺外科医の日野原友佳子先生には、TR研究にいそしむ外科医にエールを送っていただく。
このセッションのタイトルの前半には外科医不足が叫ばれている中、基礎研究に時間を割くべきかという会頭の懸念が示されている。しかし、基礎研究に熱意を持つ教室員にセッションの設計を委ねたところ、「外科医こそが臨床的疑問を的確に捉え、答えを導き出すような基礎研究に取り組むべきである」との言葉とともに、基礎研究を強く支持するコンセプトが提示された。そのため研究に関わる優れた内容の演題が46題も集中し、司会の藤原俊義教授(岡山大学)、小田竜也教授(筑波大学)には採択に大変なご苦労をおかけした。このセッションでは指定演者として理科研バイオコンピューティング研究チームの高橋恒一チームリーダーにAIとロボティクスを組み合わせた実験自動化技術のお話をいただく。外科医がピペットを握らずに研究を進める近未来を垣間見ることができるかもしれない。ソウル国立大学胃外科で臨床に忙殺されつつも手塩にかけた部下を海外のラボで研究に従事させるHan-Kwang Yang教授には、外科医に研究を勧める理由を話していただく。そして日本医療研究開発機構(AMED)疾患基礎研究事業部部長で元乳腺外科医の日野原友佳子先生には、TR研究にいそしむ外科医にエールを送っていただく。
本企画は2022年に熊本にて開催された第122回定期学術集会から継続的に開催されている企画です。サブスペシャルティ学会にも協力いただきながら司会・演者を選定いたしました。この機会に自身の専門分野以外の外科知識をアップデートいただければと存じます。
- 上部消化管分野(胃)/胃癌・食道胃接合部癌におけるリンパ節郭清効果のエビデンス
- 食道分野/食道癌集学的治療の最新トピックス
- 大腸分野/大腸外科の最近のトピックス
- 肛門分野/肛門外科の現状と最近のトピックス
- 肝臓分野/肝切除の温故知新
- 胆道分野/肝胆膵外科の最近のトピックス・胆道癌
- 膵臓分野/膵癌における低侵襲手術の現状と今後の展望
- 胸部外科分野/大動脈弁狭窄症のLifetime management
- 心臓分野/先天性心疾患外科治療の現状と将来展望
- 血管分野/知っておきたい末梢動脈疾患の最新のトピックス
- 呼吸器分野/日本が世界にもたらした肺癌外科治療のパラダイムシフト
- 乳腺分野/最新の早期乳癌局所療法 -ラジオ波焼灼療法-
- 甲状腺分野/甲状腺外科領域における最新トピックス
- 小児分野/小児悪性固形腫瘍治療の現状と今後の展望
- 外傷分野/胸郭損傷の手術適応と手術法
- 感染症分野/周術期感染管理の真髄
- ゲノム診療/がんゲノム医療ってなに?
- 移植・海外でのキャリア/純日本人外科医が米国臨床Faculty になるまでの道筋
~米国研究留学から臨床留学まで~ - ビッグデータ関連/外科医が知っておきたいNCDの基礎知識~構造から利活用の最前線まで
- 漢方分野/外科に役立つ漢方医学
本定期学術集会では従来のランチョンセミナー以外に、軽食用としてキッチンカーをご用意いたします。本定期学術集会参加者には先着順で割引制度も用意しておりますので、この機会に「名古屋めし」を是非ご堪能ください。キッチンカーは屋外に飲食スペースと併せて設置いたしますので、天気が良ければ寛ぎながら「愛知県」の風を感じてください。