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会頭挨拶

第121回日本外科学会定期学術集会 会頭
千葉大学 大学院医学研究院 先端応用外科学
松原 久裕

 このたび、2021年4月8日(木)—10日(土)に千葉市におきまして第121回日本外科学会定期学術集会を主催させて頂く栄誉を賜りました。本学会役員、会員の皆様に心より御礼申し上げます。当教室としては1996年の第96回総会を磯野可一会長が主催して以来、25年の四半世紀ぶり、千葉大学としては2012年第112回定期学術集会を臓器制御外科学の宮崎勝会頭が主催してから9年ぶりの開催となります。

 学術集会会頭への立候補の際に、会頭を拝命した暁には先人たちによりこれまで築かれてきた外科学の更なる発展、飛躍の契機となる基盤学会としての学術集会を会員の皆様とともに開催することを目指していくこと、外科医が大きな希望を持ってその力を発揮し、より高い自己実現を達成できるよう若い世代の外科医とともに外科を取り巻く課題克服へとつながる新たな外科学の起点となる場にしたいということを表明致しました。

 人生にたとえると120歳は大還暦ということで大きな区切りであり、ヒトの寿命の限界とも考えられております。そのため本第121回は新たな時代の始まりということを考えました。立候補の際の所信を踏まえ、本学術集会のテーマを(ことわり)(すべ)そして熱情―外科学再興―としました。外科学を発展させるに当たり、日常の診療を含めすべては論理の積み重ねの上に行われるべきであり、それなくして進歩はあり得ないと考えています。また、手術、技術の向上は外科学におけるもう一つの重要な柱であり、しかしこれも論理「」に基づいた積み重ねと発展が必要であると思います。また、外科学は言うまでもなく医学、医療における仁術、人への慈愛はその根底を支えるものと考えます。そしてこのの発展、飛躍にはそれを行う者の表現型はさまざまな様態をとると思いますが、熱い思い熱情は必須、欠くべからざるものだと思います。この熱情をもって、これまでの伝統を礎とした新しい外科学を再興する学術集会と考え、このテーマと決定致しました。領域横断のシンポジウムを外科学再興シンポジウムとし、メインテーマに沿い外科医が大きな希望を持ち、課題克服へとつながる新たな外科学の起点となることを期待しております。また、cadaverによる外科手術手技の教育、研修についても今回の大きな柱として、実際の教育場面を再現したいと考え準備を進めております。

 是非とも、これから外科学を支えていく若い外科医からその教育・指導に当たる立場の外科医まで、多くの方に参加いただき次の大還暦に向かう新たな始まりとして輝かしい歩みとなる、稔りある学術集会とすべく千葉大学の外科関連各科の協力、支援のもと、当教室医局員、同門一同全力で準備に当たっております。COVID-19により不透明な状況となっておりますが、通常開催を目指し、一方でWEBでの開催も視野に入れつつ準備を進めております。このような事態が収束し、皆様と千葉の地で一堂に会し、熱い議論を闘わせることが可能となることを切望し、是非とも、会員各位の多数のご参加をお願い申し上げます。

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