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会頭挨拶

第119回日本外科学会定期学術集会開催にあたって
土岐 祐一郎(大阪大学大学院消化器外科)

このたび、第119回日本外科学会学術集会会頭を拝命し、2019年4月18日(木曜日)~20日(土曜日)に、大阪国際会議場とリーガロイヤルホテル大阪で定期学術集会を開催させていただくこととなりました。大阪大学としてはこれまでに10人の教授が本会を開催しています。直近では第116回澤芳樹先生以来3年ぶり、また、消化器外科講座としては講座再編前に門田守人先生が担当された第107回(2007年)より12年ぶりの定期学術集会開催になります。大阪大学外科学講座全員にとりまして大変名誉なことであり、日本外科学会会員の皆様方にはこのような機会を与えていただきましたことを厚く御礼申し上げます。

今回のテーマは、「メスの絆で科学を拓く」(A Scrum of Surgeons Takes the Field for Science.)とさせていただきしました。現代の若者は少子化やインターネット上でのSNSなどのため、人と直に触れ合う機会が乏しくなっていますが、決してそれを拒絶しているのではなく、むしろ人との絆を渇望していると感じられます。外科の根底にある医師と医師、医師と患者の深い信頼関係を新鮮な魅力と感じて外科を目指す若者が増えることを期待して絆という言葉を使いました。大阪大学消化器外科講座は2008年に私と現在の日本外科学会理事長である森正樹先生がほぼ同時に就任しました。大学の制度上では二つの消化器外科講座ですが、実質は教授室が二つある以外はスタッフも研究室も財政も全て一つの講座として運用しております。目的を同じにする外科医が制度を超えた強い絆で結ばれるということが我々教室の根本になっております。
さて、外科の世界でも医療の進歩に伴い専門化が進み、臓器の異なる専門分野同士の繋がりが緩んできているような印象があります。そこで今回の学術集会では専門化された外科医の絆を深めることを目的として、具体的には、外科総論を増やす、サブスペシャリティの偏りをなくす、生涯教育を行うなどを企画しました。生涯教育では「適塾セミナー」と称して自分の専門外の領域を勉強することを目的として、専門の先生に基本から分かりやすく解説していただくセミナーを計画しております。口演では聴衆が多く、質問が多いのが発表者にとって何よりの励みになります。そこで多少窮屈かもしれませんが、今回は例年より会場数をやや減らしてみました。お互い顔を近づけて熱い議論を戦わせていただくことを期待しています。

大阪は笑いと食い倒れの庶民の町です。お忙しい中大阪までお越しいただくので堅苦しい挨拶は抜きにして是非学会の合間で大阪の街を楽しんでください。また、学会場ではささやかながら全国の外科医の仲間と親交を深める場としてご利用していただけるようにホスピタリティスペースも設けております。大阪大学外科学講座全員総力で開催させていただきたいと思っておりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

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