第115回日本外科学会定期学術集会

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演題募集(公募)

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特別企画

1.若手外科医から見た新しい専門医制度

2014年5月日本専門医機構が発足し、新しい専門医制度構築に向けた準備が本格化している。日本外科学会がこれまで構築してきた外科専門医制度は他の基本領域専門医制度の規範となりうる制度であり、これをさらに発展させる方向で新制度構築にも建設的な立場で参加している。一方、新制度におけるさらなる発展のためには、若手医師たちの生の声に耳を傾けることが必須である。現制度で外科専門医を取得しようと努力している、あるいはサブスペシャルティ専門医取得を目指している、あるいはそれらを最近取得した若手外科医の観点で、現制度に対する率直な疑問、新制度への期待と不安、専門医の在り方への提言などの忌憚ない意見を自由に発表していただきたい。

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2.南海トラフ地震にどう対応するか―未来に対する災害の備え―

南海トラフ地震では関東から沖縄まで29都府県で震度6弱以上の揺れや3メートル以上の津波が懸念される最悪約33万人を上回る死者数が想定されている。一人でも多くの死者や負傷者を減らすことが国を挙げての喫緊の課題である。阪神大震災や東日本大震災を経て、災害拠点病院、ドクターヘリ、DMAT、広域医療搬送計画、災害医療コーディネーター体制の整備等が推進されてきた。病院においても業務継続計画(BCP)に基づいた災害対応計画に基づき万全の準備を行うことが求められている。阪神大震災や東日本大震災などで何を学び、未来に対する災害の備えについて何をすべきか、会員の視点から論じていただきたい。

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3.こんなにも違う外科医の待遇

平成22年度および平成24年度に行われた診療報酬改定では、外科医の労働環境改善のために外科手術料の大幅増額がなされ、病院の収入増に大きく貢献した。このことは日本外科学会が施行したアンケート調査でも明らかとなったが、収入増加の大部分は病院全体のメディカルスタッフの増員、設備の更新等に使用され、外科医個々のことを考慮した対策を執った施設は限られていた。今回の特別企画では外科医の待遇が施設間で如何に異なるかを明らかにし、より良い労働環境を得るためにはどうしたらよいか検討していただきたい。

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4.日本外科学会が目指すべき男女共同参画とは?

近年の外科医の減少は本邦の外科医療にとって大きな問題である。近年の女性外科医の増加はこれを支える大きな力でもある。しかしながら、女性外科医にとっての出産、育児、キャリア形成や継続の問題は、女性外科医の個人的な努力のみでは克服できない部分がある。日本外科学会の女性外科医支援委員会は本年度より男女共同参画委員会へと変更され、女性外科医のみでなく外科医のありかた全てを包括した男女共同参画を推進していくことになる。本企画では男女共同参画を推進するため、学会や教室、病院や各部署、個人の経験や取り組みについての発表をお願いしたい。

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6.NCDの功罪

NCDも発足後4年が経過し、大規模臨床データベースとしての機能も充実、最近では各施設へリスク予測などのリアルタイムフィードバックを実施したり、様々なデータ解析結果を一流欧文誌へ投稿してきた。入力などの課題もほぼ解消され、次のステージへの発展期を迎えているが、あらためてこの時点で、NCDの意義と課題(功罪)について再検証したい。本特別企画においても、『功』と『罪』を明確に科学的に提示できる演題を数題一般公募する。

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シンポジウム

2.胸腔鏡下食道切除術の定型化(Video)

胸腔鏡手術は次第に普及し、食道癌根治術の30%強に行われており、保険収載もあいまって今後さらなる普及が期待される。一方、腹臥位あるいは左側臥位、1モニタあるいは対面2モニタ、陽圧気胸の有無など施設によって手技に差がある。さらに食道癌根治術は開心術の1/7と施行頻度が低い。このような背景のなかで各施設で、リンパ節郭清領域も含め、どのように有効に定型化が計られているか。また、どのようにして技術水準を向上し、維持しているかについて討議していただきたい。

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3.局所進行結腸癌に対する内視鏡外科手術手技とその限界(Video)

JOG0404の長期結果がまもなく公表される。すでに結腸癌の過半数で腹腔鏡手術が施行されているが、今回の結果によっては進行結腸癌に対する腹腔鏡手術の普及が急速に進むことが予想される。そこで今一度進行結腸癌の局在に応じたリンパ節郭清範囲や郭清手技、肝・脾弯曲授動などの標準的手技を理解・確認することが求められる。一方、周囲臓器浸潤を伴う局所進行結腸癌にも積極的に腹腔鏡手術が用いられているが、その困難性あるいは限界を理解しておくことも腹腔鏡手術の安全な普及には重要である。本シンポジウムでは進行結腸癌に対する標準的手技とともに、周囲臓器浸潤例にどのように対処すべきかも教示していただきたい。

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4.B型大動脈解離に対する治療戦略―遠隔成績と問題点―(Video)

B型大動脈解離の急性期においては、ほとんどが保存的治療の対象となり予後も良好である。しかしながら、残る10~20%の割合で破裂や灌流障害など合併症を併発する場合があり(complicated type)、何らかの外科治療を必要とする。このような場合に、直達手術の成績不良と相まって、ステントグラフト内挿術(TEVAR)の有用性が報告されている。同時に、慢性B型に対してもTEVARの良好な成績が報告されつつある。しかしながら一方で、逆行性A型解離、再解離、破裂、エンドリーク、気管・食道瘻などのTEVARの問題点も指摘されている。本シンポジウムでは、B型解離に対する手術とTEVARを対象にその遠隔成績と問題点を含め比較検討し、至適治療に関し議論を深めたい。

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5.重症虚血肢に対する集学的治療―血行再建から創処置まで―

血行再建とその後の潰瘍治療は、組織欠損を有する重症虚血肢治療の二本柱といえる。本シンポジウムでは、血行再建後の潰瘍治療の在り方、潰瘍治癒を難しくする要因やその対策を議論したい。また、潰瘍治癒を目指すうえで、どのような治療体制が望ましいのか、病院としての集学的治療の在り方も検討してゆかなければならない。さらに、今後のガイドライン作成や改訂において、潰瘍治癒を重要な治療到達目標としうるか否か、潰瘍治癒の視点からみた血行再建戦略がいかにあるべきかを問いたい。

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6.根治性と整容性の両立を目指した乳癌手術手技―Oncoplastic surgeryの手技も含めて―(Video)

人工物による乳房再建が保険適応となり、手術の選択肢が飛躍的に増えたことにより、乳癌手術の際に、乳房温存術だけでなく、乳房切除+再建(一次または二次)という選択肢の中から根治性と整容性、術後のQOLを考えて手術の方法を提示することが必要な時代となりました。乳癌の予後に手術方法は影響しないといわれて久しいですが、美しい乳房を再建できるかどうかは外科医の手技にかかっています。本シンポジウムでは、根治性を確保しつつ美しい乳房を形成するための手技の工夫やそれぞれの手技の注意点などを具体的に提示していただきたい。

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7.肝門部胆管癌に対する手術適応の限界(Video)

肝門部胆管癌については、現在でも適正な手術適応の範囲は確立していない。この状況の中、各施設は独自の手術適応に基づき切除を行っているのが現状である。本学術集会のメインテーマである「メスの限界を求めて」に沿い、本シンポジウムでは各施設における限界的な症例に対する手術を映像で公開していただき、その工夫と経験を共有できるようにしたい。腫瘍因子のみならず、肝予備能上の限界例に対する切除とその周術期管理の工夫も歓迎する。

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8.解剖学的肝切除手技の定型化(Video)

解剖学的肝切除は、肝切除の安全性と根治性を両立させるうえで必須の手技として広く認められているが、高崎らが提唱する肝門部でのグリソン鞘一括先行処理をはじめとして、その手技はいまだ確立されていない。今後、解剖学的肝切除の意義を明らかにするには手技の定型化は不可欠であるが、そのためには解剖学的肝切除の考え方、肝の膜構造の再考、手技の工夫、など課題は多い。本シンポジウムでは、各施設における解剖学的肝切除の手技をビデオで示していただき、その定型化を目指したい。

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9.胆道閉鎖症の診断・治療の標準化に向けて

胆道閉鎖症に対する葛西手術後の減黄率でみる限り、その成績は10年来明らかな向上が得られていない。希少疾患であるにも拘らず、診断や治療、あるいは術後管理等が各施設各様の対応がとられている事も、成績が向上しない原因の一つとして挙げられる。それ故、診療ガイドラインを作成して全ての施設の成績向上に役立てるということが課題である。本シンポジウムでは、診断基準、重症度分類、病型分類、外科治療、術後管理等、胆道閉鎖症の診断・治療をめぐる様々な問題をテーマに取り上げ、診断・治療のより良い方法を標準化した診療ガイドラインの作成に役立てたいので、会員からの積極的な演題を期待する。

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11.局所進行肺癌に対する外科治療―成績向上を目指して―

隣接臓器浸潤を伴う原発性肺癌は、切除可能と思われる臓器への浸潤を認める腫瘍はT3、切除困難と考えられる臓器浸潤を伴う腫瘍がT4と区分されている。T3症例に対する外科治療は一般化しているものの、その治療成績は満足できる結果とは言いがたい。一方近年の外科学や麻酔学の進歩、さらには合併療法の発展により、T4症例に対しても根治を目的とした外科治療が行われ始めている。さらに、TNM分類第7版ではT4N0-1M0がIIIA期に再編されたことより、これら症例に対する外科治療の試みがさらに増加していくと思われる。このような現状を踏まえ、本シンポジウムでは、これら局所進行肺癌に対する新たな治療戦略の構築やその試みなどについて発表いただきたい。

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12.虚血再灌流臓器障害に関する基礎研究の進歩

虚血再灌流障害は、外科にとって永遠のテーマの一つであり、同時に病態解明と制御においてセレンディピティが極めて重要な分野と考える。本シンポジウムでは、虚血再灌流障害に関して、分子イメージングなどを含めた診断や、新たな病態生理(メカニズム)に基づく治療法などを、細胞レベルや組織・臓器レベルの視点、臓器特異的あるいは臓器横断的な視点、また臓器保存や再生とも絡めた視点から検討した最新の結果を発表していただき、将来の有用な虚血再灌流障害の臨床的制御法に結びつくシンポジウムにしたいと考えています。次世代をみすえたトランスレーショナルな基礎的研究のたくさんの応募を期待する。

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13.食道胃接合部癌に対する手術手技―コツとピットフォール―(Video)

食道胃接合部癌が増加していると考えられている。しかしながら、その治療方針は確立しているとは言い難い。胃癌学会、食道学会合同ワーキング全国調査の結果に基づき、食道胃接合部癌手術における郭清すべきリンパ節範囲が暫定アルゴリズムとして示された。まだ未解明の領域もあり、また腫瘍中心位置によっても至適範囲は異なるが、少なくとも、下縦隔、胃上部、左胃動脈、腹腔動脈周囲のリンパ節郭清は熟知しておく必要がある。本シンポジウムでは、その領域の郭清のコツとピットホールを示していただきたい。また、再建に関しては標準手法がなく、各施設で異なる方法が行われていると思われるが、推奨される手技ならびに成績を示していただきたい。

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14.腹腔鏡下肝切除の進歩と開腹手術へのフィードバック(Video)

開腹肝切除に対し、腹腔鏡下肝切除では拡大視効果と気腹圧による静脈出血の減少が利点として指摘されている。その腹腔鏡下肝切除の進歩は、手術支援画像、術野確保の工夫、デバイス開発とその使用方法などにはじまり、開腹肝切除ではあまり認識されていなかったLaennec膜を含む微細構造の視認や腹腔鏡下グリソン一括処理などの手技の向上など様々な点におよんでいる。その結果、近年では腹腔鏡下での解剖学的肝切除も正確に行えるようになってきた。この腹腔鏡下肝切除で得られた経験は、今後どのように開腹肝切除でも生かされていくのか、そして腹腔鏡下肝切除はどこに向かうのか、ビデオを供覧しながら論じていただきたい。

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15.直腸機能性疾患に対する手術手技(Video)

直腸の機能性疾患には、直腸脱や直腸瘤、便失禁、便秘など種々の疾患があるが、その手術手技も多様にわたっている。これらの手術手技の詳細は、それぞれ機能的、解剖学的に修正・改善される結果と大きく関連すると考えられる。また、これらの手術に対する適応の選択によっても、手術の結果は大きく異なる。本シンポジウムでは、各疾患に対する手術の適応や、詳細な手術手技のポイント、その結果についてビデオで呈示していただき討論していただきたい。

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16.局所進行膵癌に対するR0をめざした手術手技(Video)

膵癌に対する標準手術と拡大手術を比較したRCTの成績から拡大手術の予後改善効果は得られていない。膵癌切除のポイントは拡大リンパ節郭清にあるのではなく、癌遺残のない手術(R0)をいかに達成するかにある。難治癌の代表である膵癌においても、近年の有効な化学療法の登場により、これらを術前や術後に用いることで、その予後は改善しつつある。しかし、局所進行膵癌では、腫瘍が上腸間膜動脈、腹腔動脈、総肝動脈などの主要血管に近接あるいは浸潤のためにR0切除が困難となる。このような局所進行膵癌に対して、確実なR0切除を行うために、主要血管に早めにアプローチを行う(artery-first approach)などの種々な術式の工夫がなされている。本シンポジウムでは、局所進行膵癌に対する確実なR0切除を目指した手術手技の工夫をビデオで供覧していただきたい。

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17.虚血性心疾患に対する外科治療の役割の再考

虚血性心疾患の治療成績の向上は目ざましい。カテーテルインターベンションデバイスの技術革新、本邦におけるoff-pump CABGの好成績と定着などが要因であるが、それぞれの発展に伴って外科治療の役割も変遷する。現状の役割は「安定狭心症治療のガイドライン」や「NSTEMI治療のガイドライン」改訂版にも表現されているが、本シンポジウムでは次の3点をテーマとしたい。
1)複雑冠動脈病変における外科治療の役割、2)NSTEMIにおける外科治療の役割、3)虚血性僧帽弁逆流の外科治療(特発性心筋症は除く)。
3テーマにつき、講演と討論で全体像を明らかにしたい。

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18.食道良性疾患の外科治療

胃食道逆流症・食道裂孔ヘルニア、食道アカラシア、食道憩室症、食道粘膜下腫瘍などの食道良性疾患に対して外科治療が行われる。本邦における手術症例数は食道癌の約1/6と少ないが、各疾患における手術適応や手術手技はそれぞれ異なり優れた治療成績を上げるための工夫が必要である。特に、最近では各疾患に内視鏡下手術が普及し、約90%が内視鏡下に行われる疾患もある。本シンポジウムでは、食道良性疾患の手術適応、手術手技の工夫、治療成績に関して発表をお願いし、食道良性疾患に対する外科治療の現状と今後の展望について討論を行いたい。

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19.間欠性跛行に対する診断と治療

間欠性跛行は、閉塞性動脈硬化症の初期症状であることが多いが、その診断は神経性跛行との鑑別診断を要する。また症状の原因となる虚血の程度を正確に診断し治療方針を決定することが重要である。昨今polyvascular diseaseの観点で下肢病変から他領域の動脈硬化性血管病を発見していくことも重要視されている。治療では薬物療法、運動療法、侵襲的治療法をうまく使い分けることが肝心である。侵襲的治療法ではその適応、血管内治療とバイパス術の選択などが未だに議論の対象となる。本シンポジウムでは間欠性跛行患者の診断法、評価法から治療方針の決定にいたるまでを総合的に討論したい。

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20.呼吸器外科領域における低侵襲手術―VATSおよびロボット手術―(Video)

肺癌の発見方法の進歩などにより、早期肺癌の割合が増加し、手術に関しても根治性と低侵襲性の両立が期待されるようになった。VATSによる肺癌手術が一般化したことも、これに呼応してのものであり、最近では進行癌や複雑な術式への応用もされ始めている。一方、ロボット手術(RATS)も肺癌や縦隔腫瘍を中心に症例を蓄積し、先進医療・保険収載の申請を控えている。VATSの適応拡大と限界、安全対策と教育、RATSの可能性と問題点、あるいはVATSとRATSの比較などについて手術ビデオを通して議論したい。

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21.改正臓器移植法施行から5年―脳死移植は普及したのか?―

改正臓器移植法施行から5年経過した現在、脳死肝移植は年間約40例程度と顕著な増加には至っていません。諸外国と同様に脳死患者の報告を義務づける等、さらなる制度改正の必要性が指摘される中、現状での次善策も検討されています。例えば、限られたドナーソースを有効に配分するために適応を明確化することや、小児への移植にも対応する目的で分割移植の制度を整備することなどがあげられます。本シンポジウムでは、改正臓器移植法施行以降の脳死肝移植が与えた生体肝移植への影響、普及しない脳死移植の中での次善策、今後わが国の脳死肝移植数の増加に関する方策と展望を論じていただきたい。

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22.局所進行直腸癌に対する集学的治療戦略

中下部進行直腸癌に対して欧米では術前化学放射線療法+TMEが標準治療であるが、術前化学療法と化学放射線療法の組み合わせや、術前・術後の周術期化学療法などの新しい試みがなされている。一方、わが国ではTME+側方リンパ節郭清による手術療法が標準であるが、最近では更なる治療成績やQOLの向上を目指して術前化学放射線療法や周術期化学療法が導入されている。新規抗癌剤や分子標的薬も含めた集学的治療が模索されている中で、自施設の成績に基づいて、今後の集学的治療の展望を示していただきたい。

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23.先天性心疾患―再手術回避のための治療戦略と工夫―

先天性心疾患の外科治療は近年非常に成績が向上し、ほとんどの症例が救命可能となった。しかし根治手術後、術後早期あるいは中・遠隔期に再手術が必要となる症例も残念ながら認められる。例えばファロー四徴症、総動脈幹症などの右室流出路、右室機能の問題、肺静脈還流異常における肺静脈狭窄、大動脈離断、縮窄などarch anomalyにおける再狭窄などである。本シンポジウムでは再手術を回避するためにどの様な治療戦略と工夫がなされているか、さらなる成績向上のために議論する場としたい。

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24.Fast track surgeryの現状と今後

Fast track surgeryは、待機手術における適切な術前管理、合理的麻酔法、低侵襲手術、充分な疼痛管理、積極的リハビリテーション、早期の経口・経腸栄養管理などを組み合わせ早期の回復を目指すプログラムである。術後合併症を減らし、早期回復により入院期間の短縮が報告されている。各術式におけるFast track surgeryの効果と安全性、問題点など現状を議論していただき、周術期の病態生理学から見た合理性や新たな方法を検討していただきたい。

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パネルディスカッション

1.直腸癌に対する外科治療―開腹手術vs内視鏡外科手術―(Video)

直腸癌手術には術後合併症(縫合不全など)や予後(局所再発など)に与える技術格差の影響が特に大きい。近年、腹腔鏡の近接視・拡大視効果が骨盤内で活かされることから直腸癌に内視鏡外科手術を適用する施設が増加している。しかし、内視鏡外科手術では触診が行えないことや鉗子操作制限などの問題点もあるため、特に下部直腸進行癌に適用するには、的確な層での剥離授動、安全な切除吻合や適切な側方郭清などが開腹手術よりも劣るとの指摘もある。本パネルディスカッションでは、直腸癌に対する開腹手術と内視鏡外科手術のそれぞれの手技の利点と問題点をビデオで供覧し、短期・長期成績も踏まえて、推奨される適応、手技の現状と展望を討論いただきたい。

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2.食道癌NearT4症例に対する治療戦略

NearT4とは明らかなT4ではないが、実際の手術ではT4のために切除不能か非根治切除になる可能性のある癌を指す。近年、術前療法の発達によりNearT4はダウンステージされ根治切除が可能になることが増えており、集学的治療で根治を目指すことができる限界の進行度として注目を浴びている。しかし、術前療法としてどのような化学(放射線)療法を選択すべきか?「メスの限界」としてどのような手術を行うか?長期成績は期待できるか?など多くの課題が存在する。食道外科としての総合力が試される場面であり、積極的かつ挑戦的な演題を期待したい。

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3.切除可能膵癌に対する治療戦略―手術先行vs術前治療―

いわゆるボーダーライン膵癌に関しては、手術先行での成績の限界が判明し、術前治療が積極的に行われるようになった。一方、切除可能膵癌に関しては、術前治療の利点と欠点が相半ばしており、現在でも議論が尽きないところである。そもそも欧米と日本との相違と画像診断の限界もあり、切除可能の定義も混沌としている。本セッションではパネルディスカッションとして、十分な総合討論を行いたく、切除可能の定義について触れていただいた後、切除を企図した全症例をintension-to-treatで解析を行なっていただき、手術先行か術前治療か、それぞれの立場を明確にして発表をお願いしたい。

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4.乳癌腋窩治療の今後の展望―外科手術の役割は?―

cN0乳癌に対してセンチネルリンパ節生検を行い、転移陰性であれば腋窩リンパ節郭清を省略することは一般診療となった。さらに、ACOSOG Z0011試験の結果報告以来、センチネルリンパ節転移陽性症例に対する腋窩リンパ節郭清省略も検討され始めている。しかしながら、適格症例の選定や術後治療の方法など不明確な点も多く、本邦においては、必ずしも積極的な取り組みとはなっていないのが現況である。外科手術、放射線治療、薬物療法、それぞれの局所制御に及ぼす意義も含め、腋窩手術のさらなる低侵襲化を目指して議論したい。

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5.緩和医療における外科治療の意義

がん治療においてすべてを取り去る根治切除は理想の緩和医療である。しかし、切除範囲と侵襲とは正比例の関係にあり、理想を追い求めれば生体侵襲は増大し、手術に対する不安や心痛も増す。加えて、再発を完全に阻止することは困難であり、同様に侵襲を伴う化学療法や放射線療法の併施を余儀なくされ、侵襲の回避や早期回復を念頭に置いた“身体にも精神にも優しいがん治療”が望まれる。一方、進行がんにおいては腫瘍切除を目的とせず、症状軽減や食事摂取をはじめとする生活の質を回復するための緩和的外科治療も有用である。本パネルディスカッションでは、緩和医療における外科治療の在り方を臨床の現場で活躍する皆さんとともに論じたい。

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6.困難例に対する肝移植手術の工夫と限界(Video)

肝移植は周術期管理方法・免疫抑制剤使用方法・手術術式の改良によりその成績は5年・10年生存率がそれぞれ77.5%・72.5%と安定してきている。肝移植手技においても標準化が進む一方で、移植適応および移植手技が困難な症例は依然存在し、手術手技に難渋することもしばしば経験する。学術集会のメインテーマである「メスの限界を求めて」に合わせ、本パネルディスカッションでは、肝移植適応および手技が困難であった症例をビデオで提示いただき、手術手技の工夫・限界について議論したい。

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7.小児外科疾患に対する低侵襲手術の拡大と限界(Video)

小児外科疾患に対する開放手術は、整容性や低侵襲の観点から、内視鏡手術に取って代わられてきたものも多い。鼠径ヘルニア根治術、噴門形成術、漏斗胸根治術などがその先鞭であったが、現在では腸閉塞などの急性疾患や主要疾患である胆道拡張症、食道閉鎖症、小児がんなどの比較的難易度が高い手術に対しても低侵襲手術が行われている。一方で低侵襲手術では対応できないような、もしくは低侵襲手術では非常に難しいような手術ももちろん存在する。また、低侵襲手術と言っても、内視鏡手術のみならず、皮膚切開を工夫するような手術もみられている。このように拡大を続けている低侵襲手術の現時点での適応疾患や限界についてビデオを用いながら説明していただきたい。

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8.骨盤内臓全摘の手術手技―コツとピットフォール―(Video)

骨盤内臓全摘術は、侵襲が大きく術後合併症も高率である。また腫瘍が大きく骨盤内の視野確保に難渋するような症例も多い。何より外科医がそれほど多く経験する手術では無いために、手技を学ぶ機会が乏しいという課題が有る。本パネルディスカッションでは、熟練した外科医からの応募を期待する。骨盤内の視野確保、膜・層構造の理解、合理的で安全な操作、尿路の処理・再建、などをビデオで示してもらいたい。手術侵襲低減の工夫や合併症への対策についても討論したい。

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9.乳癌外科治療の個別化に向けての取り組み

乳癌外科治療のうち、乳房内の原発巣に対する多様なアプローチとその個別化に焦点を絞り取り上げる。原発巣に対する手法は、単に部分切除と乳房切除に分けられるだけでなく、どのようなオンコプラスティックサージャリーの技術を使って再建するのか、乳頭は安全に温存できるのかなど根治性と整容性の両立を目指して様々な工夫がなされている。個別化については原発巣の大きさや部位、組織型やサブタイプ、画像情報のみならず、宿主側の年齢や遺伝子異常の有無、乳房の形、大きさ、嗜好なども考慮されなければならない。手技をラジオ波などの低侵襲治療にまで広げて、科学的なアプローチによる個別化に向けた取り組みについて議論したい。

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10.高度脈管(門脈、肝静脈、胆管)侵襲を伴う肝細胞癌に対する治療戦略

高度脈管侵襲を伴う肝細胞癌に対する既存の治療法の効果は限定的で、肝切除を含む集学的治療を中心に新たな治療法が模索されています。通常、本病態に対する肝切除は、腫瘍栓の位置やその進展度により難易度の高い技術を要し、高率な肝内転移に対する対策が重要です。本パネルディスカッションでは、このような進行肝細胞癌に対し腫瘍の遺残を最小限に留め安全に切除するための工夫・併用する化学療法の投与法やそのタイミング・切除不能を切除可能とするConversion therapyへの取り組みなどについて討論したい。

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11.大動脈弁狭窄症ハイリスク症例に対する治療―その適応と成績―

人口の高齢化に伴いハイリスク大動脈弁狭窄症(AS)症例は増加している。外科的大動脈弁置換術(SAVR)はAS治療の基本であるが、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)が可能となり治療戦略が多様化している。また、今後はsutureless valveが使用可能となりMICS AVRの選択肢も広がる事が予想され、ASの治療戦略に大きな変容が予想される。本パネルディスカッションでは、ハイリスクAS症例に対するSAVR、MICS AVR、TAVR、内科治療などの各種治療法の成績を検討し、その適応を考察するとともに今後の治療戦略について議論を深めたい。

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12.癌合併炎症性腸疾患に対する外科治療

潰瘍性大腸炎、クローン病を主とする炎症性腸疾患の長期経過例の増加とともに、近年、原病に関連する癌患者の診断、治療の重要性が増している。これらの患者の診療には癌発生危険群の絞り込みを含めた早期癌発見を目的とする癌サーベイランス方法の確立、癌の根治と機能温存を含めた手術術式の選択と適正な術後管理が必要である。現状では癌に対する補助療法やフォローアップの方法についても十分なコンセンサスが得られていない。これらの現状をふまえて炎症性腸疾患癌合併症例の予後向上に向け、現状の分析、問題点、診断と治療のstrategyについて最新のデータや知見に基づいた演題を期待する。

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13.骨盤外科における周術期感染対策

骨盤外科手術の周術期管理において、縫合不全およびSSI対策は極めて重要な課題である。縫合不全が適切に治療されないと敗血症やフルニエ症候群を引き起こし致死的になることもある。また骨盤死腔炎が遷延化すると新直腸の機能不全や瘻孔形成を来たし患者のQOLを著しく低下させる。また、入院期間の延長は、医療経済的な問題に直結する。これらの合併症に対して、covering stoma造設(緊急的・予防的)、interventional radiology、経肛門ドレーン挿入、形成外科的手術などが行われているのが現状であるが、各々の治療法の適応に関しては未だレベルの高いエビデンスは得られていないと考えられる。本パネルディスカッションでは、各施設の治療成績や臨床試験の結果を紹介いただき、現時点の問題点と今後の展望を明らかにしたい。

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14.食道癌ハイリスク患者に対する手術適応の限界

食道癌は他臓器の癌に比し、高齢者に多く、諸臓器障害を有する例も少なくない。さらに術前化学(放射線)療法後の手術や根治的化学・放射線療法後の癌遺残や再発に対するsalvage手術など、ハイリスク患者に対する手術も多く施行されている。このような現況のもとに、これらの症例に対する客観的リスクの評価法、術前のリスク軽減の方策、術式の選択と工夫、リンパ節郭清の在り方、さらに術中、術後も含めた周術期管理の対策、術後合併症の現状、そして短期並びに長期予後などを詳細に検討いただき、それらの観点から食道癌ハイリスク患者の手術適応の限界について論じていただきたい。

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15.大腸癌に対するreduced port surgery(Video)

大腸癌に対する腹腔鏡手術は、標準手術のひとつとして位置づけられつつある。現在は、さらにポートの省略や細径化、いわゆるReduced port surgeryが多くの施設で試みられている。本パネルディスカッションでは、各施設におけるReduced port surgeryの手技の実際、工夫をビデオで提示していただき、大腸癌根治手術としての妥当性を提示していただきたい。また、短期・長期成績から通常腹腔鏡手術に対する非劣性および優越性を示していただき、現段階の適応や安全性についても議論したい。

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16.大腸癌の両葉多発肝転移に対する集学的治療の功罪

近年の、いわゆるconversion therapyの普及に伴い、大腸癌肝転移の切除適応は拡大され、両葉多発肝転移に対しても外科的切除を基軸とした集学的治療が積極的に試みられるようになった。治療成績向上に寄与すると考えられたこれらの治療戦略ではあるが、治療経験の集積により、予想外の術関連mortalityあるいは術早期の多発再発といった問題点も明らかとなりつつある。このような現状に基づき、本パネルディスカッションでは両葉多発肝転移に対する集学的治療の功罪というテーマで討論を行いたい。

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17.胃癌の周術期化学療法

高齢化社会となり、胃癌術後における補助化学療法のコンプライアンスは今まで以上に大きな課題となっている。さらに接合部癌という扱いの難しい癌が増加し、今後はCY1症例、大動脈周囲リンパ節腫大例など、Stage IVを切除するケースも想定されます。現在わが国の周術期化学療法として唯一の高レベルなエビデンスと言えるものはS-1による術後補助化学療法ですが、これを凌駕する周術期化学療法の開発が要請されております。本パネルディスカッションで今後の周術期化学療法の適応やあり方について、大いに議論したい。

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18.進行・再発胸腺腫に対する治療戦略

胸腺腫は低悪性度の腫瘍であり、比較的slow growingであるが、時に発見時点で胸膜播種や肺転移・リンパ節転移などを伴い、治療方針に苦慮することがある。本腫瘍は発生頻度が低いこと、臨床経過が長いこと、病理像と生物学的悪性度が多彩であること、重篤な腫瘍随伴症候群の合併が高頻度であることにより臨床試験の実施が難しく、標準治療やガイドラインは整っていない。本パネルディスカッションでは、正岡3期以上の進行病期胸腺腫と再発胸腺腫に対する外科治療、補助療法も合わせた集学的治療の成績を討議し、各施設での経験の共有により、進行病期および再発胸腺腫の治療におけるコンセンサスの形成を目指したい。

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19.肝予備能評価2015

肝予備能評価:肝胆道手術モタリティ・モビディティ経験と回避の方策
肝予備能評価の究極の意義は術中・術後モタリティからの回避である。黄疸肝に対する肝切除・化学療法後障害肝の肝切除・術前PVEの適応と可否・門脈肝動脈合併切除再建による残肝障害リスク・肝葉膵頭十二指腸切除における適応とリスク・重症症例に対する肝移植、など肝予備能評価は広範囲にわたる。本パネルディスカッションでは、モタリティの辛い経験、モタリティにはいたらなかったけれども苦しんだ経験・限界症例などを中心に提示いただき、上記の各領域の肝切除術におけるモタリティ・モビディティ症例の解析とその回避の現在の方策・今後の考え方を論じていただきたい。

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20.Acute care surgeryとどう取り組むか―外科医、救急医の立場から―

本邦でのAcute care surgeryは、これまで一般外科医が担ってきました。ただ、近年の外科領域の細分化に伴い、外科医が外傷などの緊急手術や術後管理に関与しない施設も増えています。一方で、救急医がこれらの手術や管理を入院から退院まで一貫して行う施設もあります。本パネルディスカッションでは、Acute care surgeryの体制やAcute care surgeonの育成に必要な教育システムの工夫や問題点について、外科医と救急医がそれぞれの視点から議論していただきたい。

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21.胆道癌に対するMajor HPD(肝葉切除+膵頭十二指腸切除)の適応と限界

手術手技の工夫や手技の習熟、周術期管理の向上により胆道癌に対する肝葉切除+膵頭十二指腸切除の成績は改善してきたが、本術式は依然として侵襲の大きい術式であることは論をまたない。広範囲胆管癌や進行胆嚢癌が本術式の適応となるが、本術式の侵襲の大きさを考えると治癒切除が期待できない症例に本術式をおこなうべきではないと考える。そこで、メスの限界に挑むことを考えた時、すなわち手術の安全性が担保され、かつ治癒切除を前提として本術式の適応拡大を目指す場合の問題点をデータに基づいて示していただき、適応拡大を目指すにはどのようなストラテジーで治療を組み立てるべきか論じていただきたい。

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22.Pararenal AAAに対する治療戦略―EVAR vs. Open―(Video)

腹部大動脈瘤にステントグラフト内挿術(EVAR)が導入されて以来、腹部大動脈瘤に対する治療戦略が著しく変わった。一方でプロキシマルネックが短い、あるいは腎動脈再建が必要になるような傍腎動脈腹部大動脈瘤に対しては、まだ日本ではステントグラフトが市販されておらず、外科的手術が第一選択である。一方でチムニー法など種々の手技的工夫を加え、あるいはFenestratedステントグラフトを用いた治療も施設、症例によっては行われている。今回は傍腎動脈腹部大動脈瘤に対する治療戦略について外科的手術かステントグラフトか手技の工夫も加えて議論していただきたい。

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23.進行再発甲状腺分化癌に対する集学的治療戦略―分子標的薬参入による今後の変化を中心に―

わが国における進行再発甲状腺分化癌(乳頭癌、濾胞癌、低分化癌)の治療は従来、隣接臓器の合併切除・再建を含めた拡大手術に負うところが大きかった。一方、全身療法としての放射性ヨウ素(RAI)内用療法については、アブレーション治療における外来投与量制限の緩和、組換型ヒトTSHの保険収載など治療環境の整備が徐々に進んでいる。さらに、RAI抵抗性分化癌に対するPhase III試験の良好な結果を受けて、いくつかの分子標的薬が保険収載されつつある。本パネルディスカッションでは、様変わりする本疾患の集学的治療戦略について、外科医のみならず、放射線治療医や腫瘍内科医の先生方にもご参加いただき、新しい治療適応基準、安全管理や今後の見通しについて、発表、討論いただきたい。

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24.cN2IIIA期非小細胞癌に対する外科治療

cN2IIIA期非小細胞癌は局所進行癌であるが潜在的遠隔転移を伴う症例が多く、局所治療とともに全身治療が必要であるが、heterogeneityな集団であることと治療方法が多種にわたることが影響して、治療成績は報告によって様々である。その治療戦略は、手術はしないという立場、術前導入化学放射線治療を行って手術を行うという立場、手術をして術後補助化学療法を行うという立場があろう。本パネルディスカッションでは、cN2IIIA期非小細胞癌において外科的治療の役割を論じていただきたい。

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25.ここまで来た再生医学研究

現在、日本初のiPS細胞を初めとする幹細胞技術の進歩により、再生医療は注目と期待が高まっている分野である。また既に、研究室の中に留まらず、角膜、骨・軟骨、食道、心臓等に対してはTissue engineering技術を用いた組織再生の外科的臨床応用が始まっている。今後、三次元培養等の新たな技術の発展により、更に複雑な構造と機能を有する組織・臓器の再生や新たな治療法の開発が期待される。本パネルディスカッションでは、最先端の再生医学研究について、基礎研究、臨床研究の両面から報告していただき、その展望や現在の問題点を、様々な角度、特に外科学の視点から討論したい。

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