第116回日本外科学会定期学術集会

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会頭挨拶

第116回日本外科学会定期学術集会開催にあたって

 このたび、第116回日本外科学会学術集会会頭を拝命し、2016年4月14日(木曜日)~16日(土曜日)に、大阪国際会議場とリーガロイヤルホテル大阪で学術集会を開催させていただくこととなりました。大阪大学は140年の歴史がございますが、第11回の木村孝蔵先生が初めて大阪の地で学術集会を開催させていただきましたのち、岩永仁雄先生(第41回)、小澤凱夫先生(第47回)、久留 勝先生(第60回)、武田義章先生(第63回)、陣内傳之助先生(第73回)、神前五郎先生(第83回)、松田 暉先生(第104回)、門田守人先生(第107回)とこれまで9名の会頭が学術集会を開催させていただいて参りました。今回、大講座制としての外科学講座が発足し同窓会も一本化され軌道に乗ったこの時期に、日本で最も伝統のある本学会を大阪の地で再び開催させていただけますことは、大阪大学外科学講座全員にとりまして大変名誉なことであり、このような機会をお与えいただきましたことを、会員の皆様方には厚く御礼申し上げます。
 今回のテーマは、「新しい外科学の価値を創造する」とさせていただきしました。近年の外科学の進歩は目覚ましいものがあり、内視鏡手術、ロボット手術等、ますます手術術式の多様化低侵襲化が進んでおります。また、分子標的治療に代表される新規治療と連携・融合する革新的技術の進歩も期待されております。さらに、再生医療分野におきましても、iPS細胞の登場で、外科手術との集学的治療が今後さらに活発化することが予想されます。本学術集会では「新しい外科学の価値」に焦点を当て、今まさに芽吹いている新しい科学、テクノロジーから、将来その価値が創造できるような示唆に富んだ研究の成果を発表していただき、活発な議論をしていただければと思います。
 上級演題では、ワークショップを復活させました。若手外科医に新しい外科学を存分に議論していただきたいと考えております。また、シンポジウム及びパネルディスカッションでは、司会の先生方にぜひ積極的にセッションを誘導していただき、新しいメッセージを会員の皆様や社会に発信できるセッションづくりをお願いしたいと存じます。特別企画としては、新専門医制度、外科医の待遇、NCDの活用、外科医に求められる医療安全、女性外科医の活躍推進、若手外科医に対するキャリアパス等、喫緊の重要な問題を取り上げました。その中から社会に何らかのメッセージを送ることができればと考えております。
 次世代の外科医を育てることは、未来の外科学の発展のために非常に重要なことであります。しかし、新しいテクノロジーの極端な追及により、若手外科医から修練の場を奪ってしまう可能性も危惧されております。また、一向に改善しない外科医の労働環境の問題もあります。このような厳しい状況を鑑み、今回、教育も本学術集会の柱として、U-40セッションなど若手外科医のためのセッションをたくさん設けました。近年、外科医の希望者が激減しております。「新しい外科学の価値を創造する」ために、ぜひとも、若手外科医自ら、会員の皆様や社会に向け、メッセージを発信していただきたいと思います。
 大阪での開催は9年ぶりになります。シンボルキャラクターとして、我々大阪大学の大先輩である手塚治虫先生のブラック・ジャックを採用し、また大阪大学の大先輩で私が大ファンである司馬遼太郎先生のコーナーや適塾コーナーも設けて先生方に楽しんでいただければと思っております。大阪ならではのお笑いやグルメやUSJにご参加を頂けるような企画ももうけております。大阪大学外科学講座全員総力で開催させていただきたいと思っておりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

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